尿もれとは
尿漏れとは自分の意思とは関係なく尿が漏れてしまうことと定義づけられています。40歳以上の女性の4割以上が経験しており、実際に悩んでおられる方は実は大変多いのですが、羞恥心などの理由で我慢している方が多いのも現状です。
高齢者における尿失禁の頻度は極めて高く、在宅高齢者の約10%、病院や介護施設などに入所している高齢者では 50%以上に尿失禁がみられます。我が国では、60歳以上の高齢者の 50%以上に尿失禁があると報告され、A その 実数は 300 万人とも 400 万人ともいわれています。
尿もれの主な原因
骨盤底筋群(膀胱や尿道、子宮など骨盤内の臓器を支える筋肉)が緩み、骨盤の中にある臓器がきちんと支えられていないために起こるもので、妊娠・出産、加齢、肥満、閉経などが主な原因としてあげられます。
自宅でできる簡単ストレッチ
1.ツボを押す
内くるぶしの最も高いところから指幅4本分(示指から小指まで)上、脛骨の際に取ります。息を吸って~、ゆっくり息を吐きながら3回~5回ほど押します。息を吐いているときに押すのがコツです。気落ちいい程度に押しましょう。
2.ボールに座る
3.四股ストレッチ
尿もれを未然に防ぐ方法
自宅でできる簡単ケアがそもそも予防になります。また、膀胱は自律神経系の影響を受けるので、ストレスコントロールも重要になってきます。ゆったりとした深呼吸や自然環境に出かける、温泉につかる、暴飲暴食を避ける、睡眠時間を確保するなど、ご自身に合ったストレス対策が必須です。
尿もれの意外な原因
腹筋は姿勢や安定した動作を行う上で重要な筋肉ですが、鍛えすぎることによって腹圧が高まってしまい、咳やくしゃみで容易に尿漏れを引き起こすことがあります。
症例紹介
くしゃみや咳で尿漏れが気になる50代女性のSさん。出産直後にも経験がありましたが、最近ではちょっと力むだけでも尿漏れが起こり、気軽に外出できないことが悩みになっていました。硬めのボールに座って深呼吸をして頂いて骨盤底筋群を促す練習を仕事中もしてもらいました。また、仕事の休憩中には踵をしっかりつけ、足を開いてしっかりとしゃがみこんでもらうことによって、骨盤底筋群の強化を図ってもらいました。骨盤底筋群を強化してもらうことによって、尿漏れだけでなく長年の悩みであった腰痛も同時に緩和され、今では友人と外食や旅行を楽しんでおられます。