生理痛とは
生理痛は月経困難症と言われ、月経に随伴して起こる病的症状です。月経時あるいは月経直前より始まる強い下腹部痛や腰痛を主症状として、下腹部痛、腰痛、腹部膨満感、嘔気、頭痛、疲労・脱力感、食欲不振、イライラ、下痢および憂うつの順に多くみられます。
月経困難症は子宮内膜症などに起因する器質性月経困難症と特定の疾患がない機能性月経困難症に分けられます。一般的に思春期では機能性月経困難症が多いという特徴があります。30代以降は子宮内膜症などによって、月経困難症が生じる可能性があるため、生理痛が酷い場合は一度婦人科の受診をお勧め致します。
生理痛は有意に女性の学業成績に悪影響を与えており、20.1%の女性は生理痛により授業を休むことが多い状況です。また、40.9%は生理痛で集中力が維持できず、パフォーマンスも低下したと回答しています(Armour et al , 2019)
生理痛の主な原因
生理痛は子宮内膜や経血に含まれるプロスタグランジンというホルモンが影響していると言われています。このホルモンは子宮を収縮させるのですが、ホルモンバランスが崩れてしまうと過剰に子宮が硬くなってしまいます。つまり、子宮の血行が乏しくなってしまうと、神経が過敏な状態になってしまうので、痛みをより強く感じてしまいます。
自宅でできる簡単ストレッチ
1.腹筋ストレッチ
- 立った状態で後ろで手を組む
- 肩甲骨を内側に寄せながら肘を完全に伸ばす
- 胸を張って頭を後ろに下げる
- お腹が伸びている感じがあればOK
2.内ももストレッチ
- 足をできるだけ左右に大きく広げる
- 片脚は曲げて片脚は伸ばす
- 内ももや裏ももが伸びている感じがあればOK
3.内くるぶし~脛の内側を押していく
生理痛を未然に防ぐ方法
- ストレスをコントロールする
- お腹周りや仙骨は柔らかくしておく
- アロマでリラックスをする
- 全身の血行が良くなるように適度な運動をする
- はちみつをなめる(Farahani et al , 2017)
- 魚、魚介類を食べる(Deutch , 1995)
生理痛が悪化するのでやらない方がよいコト
- 摂取カロリーが少ないと生理痛が悪化する
- 激しい運動によるカロリー不足(Loucks & Callister , 1993)
- 脂肪を制限している(Miller et al , 1998)
症例紹介
生理痛で約2週間は寝込んでしまうことの多かった45歳女性のAさん。生理痛対策としては、鍼灸、マッサージ、鉄分の補給を行っていたが、10年以上何ら変化はありませんでした。歯ぎしりや肩こり、腰痛もひどく、仕事以外は家庭のこともほとんどやる気になれなかったようです。まずは全身的に緊張してしまうため、咀嚼筋群を緩めてリラックスを図りました。咀嚼筋群を緩めると肩こりや腰痛も同時に軽減されました。身体が全体的に辛かったので自炊がほとんどできていませんでしたが、魚介類を頻回に食べてもらい、夕食後には果物とはちみつ入りのヨーグルトを召し上がってもらいました。それ以降、生理痛で寝込むことはなくなったようです。