最近、お客様から貴重なご質問をを頂きました。
職場を変えてから不整脈が治まってきてるんだけどそんなもん?
はい、そんなもんです(笑)
最近の研究ですが、
職場で強いストレスにさらされていて、仕事の対価が低いと感じている場合、心房細動のリスクがほぼ2倍に上昇する
という研究結果が報告されておりました。
▼研究論文はコチラ▼
et al(2024)Psychosocial Stressors at Work and Atrial Fibrillation Incidence: An 18-Year Prospective Study
心房細動は不整脈の一種でして、
自覚症状として動悸やめまいなどを生じることがあります。
元々訪問リハビリという分野に従事する期間が長かった私は、
夏場は心房細動さんとの戦いでもありました。
なぜかと言いますと、
心房細動は心臓の中に血液の塊(血栓といいます)を
作ってしまいやすいんですね。
血栓ができると脳の動脈に運ばれて
多発性脳梗塞になりやすいんですよ。
多発性脳梗塞は小さな血栓が
脳の血管のあちこちに詰まるので、
年のせいか足を結構すったり、ちょこちょこ歩きになるんですよ
と当時のご利用者さん(介護保険下ではこう呼んでました)に
言われると
のぉぉぉぉぉぉぉぉ
と叫びたくなったもんです…。
- 夏はとにかく水分が不足する
- 血栓ができやすい
- 心房細動によって脳に小さな血栓がとぶ
- 脳の血管がつまりやすい
- 徐々に動きにくい
- 動く量が少ないから水分をとらない
という最恐のスパイラルに陥りやすい状況でした。
さて、少し脱線しましたが、
今回は「ストレスと心房細動」のお話ですね。
これまで過剰なストレスは冠動脈性心疾患のリスクを高める
と報告されておりますが、心房細動のリスクは不明だったんです。
※冠動脈性心疾患=狭心症や心筋梗塞のことです
今回の研究では
心臓に問題のない5,926人を対象としています
平均年齢45歳ぐらいで、男女比は同じぐらいでした。
参加者の医療記録を平均18年間追跡すると、
186人が心房細動を発症しておりました。
発症した人の19%が「仕事上のストレスが強い」
発症した人の25%が「自分の仕事が正当に評価されていない」
発症した人の10%はは両方を感じていたそうです。
結果は以下のようになりました
仕事上のストレスを強く感じている人はそうでない人に比べて、心房細動のリスクが83%高いことが分かった
仕事の評価や対価が低いと感じている人はそうでない人より、心房細動のリスクが44%高かった
今回の研究で、執筆者の方々は
仕事上のストレスや職場での不当な評価の自覚は、冠動脈性心疾患だけでなく心房細動のリスク増大とも関連している。
職場での心理社会的ストレスをターゲットとした疾患予防戦略が必要ではないか!
と述べられておりました。
個人でできることは
- 週に150分以上運動する(ウォーキング以上の強度)
- バランスよい食事をする
- 睡眠時間は7時間以上確保する
となりますが
今後はますますシビアな問題になってきそうですね。
どのような職場が悪いかというと
- ワークライフバランスが崩壊している
- 雇用が不安定
- 労働時間が長い
- 勤務時間が一定していない
- 仕事の裁量権がない
- 周囲のサポート(職場、家族)がない
- 組織内に不公平が多い(人事制度など)
- 通勤時間が長い
とされています。
まぁ頷ける内容ですよね…。
一方で良い職場に共通するのは
- 裁量権がある
- 前に進んでいる感覚が得られる
- やることやビジョン、評価軸が明確
- 作業内容にバリエーションがある
- 組織内に仲間がいる
- 世の中に貢献している感がある
でした。
特に、1,2,5の内容は
厚労省のストレスチェックでも
非常に重要だと言われていますね。
ただ、大企業じゃないと中々難しいかも…
会社の体制を変えるのは
ほぼ不可能だと割り切って
仲間作りからでもいいかもしれませんね。
元々ストレスチェックの雇われ社長をやっていたこともあって
少々熱くなってしまいました。
じゃあオレはどないしたらいいんや?
私にはどんな対策がある?