自律神経失調症

自律神経失調症とは

めまい、肩こり、頭痛、頭が重い、手足のしびれや 痛み、手足が冷える、顔がほてる、動悸、下痢、便秘、胃がおかしい、眠れない。これらは日常よく起こりがちな症状です。このようなときに医療機関を受診し、検査で病名がわかれば、その治療によって症状は治まり一件落着となります。

ところが、様々な検査をしてもこれといった原因が見つからなかったり、病気の程度が自分が考えているよりもずっと軽く、検査結果からは症状の重さを説明できない場合があります。このようなとき、「自律神経失調症」の可能性が考えられます。

自律神経失調症の主な原因

自律神経失調症は“気のせい”ではなく原因がある病気です。「異常が見つからないのなら、自律神経失調症は病気ではないのか?」と思うかもしれませんが、そうではありません。検査で原因がわからないのは、自律神経の働きを正確に調べる検査方法がないことや、自律神経失調症の背景には、体力の低下や精神的ストレスなどの検査では推し量ることができない要素が多いためです。検査で「異常なし」と言われると、周囲の人から、「気のせい」「大げさ」「怠けている」と見られてしまうことがあり、そういった理解のない態度が、あなたをさらに苦しめていることもあるでしょう。自律神経失調症は、検査結果だけで語ることができない病気だということを、多くの方が正しく理解することが必要です。

自律神経のバランスが崩れる直接的な原因は特定できませんが、間接的には、ストレスや生活習慣の乱れが影響していることが多々あります。例えば、緊張したときにトイレが近くなったり、汗をかいたり、手が冷たくなることは、誰でも経験したことがあるでしょう。悩みがあるときは、食欲がなくなったり、眠れなくなったりします。また、睡眠不足が続いたとき、めまいを感じることはないでしょうか。そのような状態が長引くと、身体が耐えられる限界を超えてしまいます。その結果、自律神経失調症によって不快な症状が現れ、物事が思うように進まないといった焦りや不安が新たなストレスとなって、さらに症状を悪化させるという悪循環が起こります。ひとつひとつの原因は些細なことでも、それがいくつも重なれば大きな負担となるのです。

自宅でできる簡単ストレッチ

1.ストレッチポール

2.膝抱えストレッチ

3.チャイルドポーズ

4.ラジオ体操

5.四股ストレッチ

自律神経失調症を未然に防ぐ方法

1.自然環境にたくさん出かける

2.家事をたくさんする

3.ボランティアを行う

4.睡眠時間を6時間以上確保する

5.加糖飲料やアルコール、お菓子などを控える

6.野菜や果物をたくさん食べる

自律神経失調症の意外な原因

自律神経失調症の大きな原因はストレスや生活習慣の乱れとされていますが、体力の低下も大きな要因です。つまり、同じストレスフルな日々でも体力がある方とない方では自律神経への影響度合いが異なるのです。体力の有無を簡単にテストする方法として、40㎝の椅子から片脚で立ち上がることができるかどうか、という簡単なテストがあります。20㎝の椅子から片脚で立ち上がることができる人は自律神経失調症になる可能性はかなり低くなると言えます。

症例紹介

40代男性のWさん。多忙な日々を数年間送っているうちに過労とCOVID-19により加療のため入院。退院後も頭痛、頚~肩の痛み、息切れ、めまい、ふらつきが継続するため訪問のご依頼がありました。頭痛や息切れ、めまいに関しては医療機関の検査で異常なしと指摘されたようです。その結果、職場からは「やる気の問題」「傷病手当がほしいだけ」という理解のない言葉を浴びせられ、症状は悪化していったそうです。初回は可能な限りリラックスできるよう呼吸が深くなるアプローチを行いました。初回施術後、Wさんは回復に向けて積極的に取り組みを開始されました。毎日30分の朝散歩、野菜や果物中心の食生活、たんぱく質を体重分以上摂取する、アルコールの撤廃、8時間の睡眠時間確保を開始しました。2回目の訪問では症状は半減されていましたが、起床時の頚~肩の痛みは残存していました。足首周辺や脇のこりをほぐしていくことで、起床時の痛みは軽減しましたが、職場復帰には強い不安を抱えておられました。3回目の訪問では不安を言語化してもらい、Wさん本人がコントロールできることと、できないことに分類してもらいました。日々の生活に深呼吸やサウナを取り入れて頂くことで、より症状が軽減していきました。4回目の訪問では実際に職場復帰に向けて、会社と交渉する条件を一緒に考えました。結果、半日程度の出勤を週に2回から開始し、現在では1日おきにフルタイムで勤務することが可能になりました。

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