まず、結論ですね。
週に150分はやりましょう。
150分の内容をお伝えする前に
運動するとどんな効果があるかといいますと
- 幸せな気持ちになる
- 若返る
- 頭が良くなる
- 見た目が良くなる
- ダイエットできる
- 仕事の生産性が上がる
などなど、様々な特典が約束されます。
ただし、
- 毎日10,000歩達成している人
- 毎日30分走っている人
- 窓を開けることすら面倒な人
それぞれで始める内容が違いますよね?
ということで、今回は週150分を達成するために
レベル別(0~7の8段階)の運動を紹介したいと思います。
是非最後までお付き合い下さい。
<概要>
ご自身の段階を知って、より適切なレベルを行いましょう。
当然ですが、レベル0から7まで徐々に負荷が上がっていきます。
レベル4以上は40㎝のイスから片脚で立てない方にはおススメできません。
ただ、レベル2まででも十分に運動の効果はあります。
また、習慣化は2日に1回、8週間が目安と言われています。
2日に1回、8週間続けてもまだやりたい、続けられそう、やらなきゃ気持ち悪い
という段階になれば、次のレベルに進んでみて下さい。
運動や活動の恩恵を受けようと思うならば、
最低限度の目標はレベル2を週に合計で150分以上行う必要があるので
まずはそこを目指して頂けたらと思います。
- レベル0:消費カロリーを計算する
- レベル1:お気楽エクササイズ
- レベル2:NEAT
- レベル3:ウォーキング
- レベル4:HIIPA ※1
- レベル5:インターバル速歩
- レベル6:SITプロトコル ※2
- レベル7:HIIT
※1:レベル4以上は40㎝の椅子から片脚で立てる人が望ましいです
※2:レベル6以上はトレーニング要素が強いのでご注意下さい
【レベル0:消費カロリーを計算する(Crum & Langer , 2007】
家事1分あたりのカロリー消費量を計算する
睡眠 | 1㎉ | 食後の皿洗い | 3~5㎉ |
ベッドメイキング | 1~2㎉ | 食料品の買い出し | 3~5㎉ |
料理 | 1~3㎉ | 洗車 | 4~5㎉ |
掃除機 | 3~4㎉ | 風呂掃除 | 4~5㎉ |
洗濯物を干す | 3~4㎉ | ガーデニング | 4~6㎉ |
床の雑巾がけ | 3~5㎉ | 窓ふき | 5~7㎉ |
例えば、
- スーパーの中を少し早歩きで15分
- 掃除機を10分
- 食料品の買い出しに自転車往復20分
- 食後の皿洗いを10分
- 洗濯物を10分で干す
- 風呂掃除を10分する
と1日合計で最低235㎉を消費します。
これを1ヶ月間今の食事量や睡眠時間を変えない前提になりますが
自然と1㎏やせることになります
これは2007年の研究でも既に証明されていて
ホテル清掃員に上記の表を用いて
仕事で消費するカロリーを伝えました。
その結果、4週間後には約1㎏の減量と血圧の改善に成功したのです。
まずは、ご自身の生活をふと気にかけて下さい。
意外にたくさん動いているはずです。
【レベル1:お気軽エクササイズ】
- 玄関の外に6分以上出る
- 冷たいシャワーを30~90秒浴びる
- サウナに合計20分入る
- 公園で座って深呼吸する
- サプリメントを飲む
本来であれば、サプリは必要ありません。
でも、活動や運動をしようにも疲れていてやる気が全く起きない!
という方は是非当院へご相談下さい。
【レベル2:日常的な活動を増やす(Aragon et al , 2017)】
日常的な活動はNEAT(Non-Exercise Activity Thermogenesis)の略で
日常的な活動で消費されるエネルギーを指します。
NEATの1日の消費エネルギーは意外に多く
全体の15~30%と言われます。
家事や掃除をたくさんやると
- やせる
- 家庭円満
- 職場のみんなに感謝される
- 健康になれる
というわけです。
例としては、
- エレベーターではなく階段を使う
- 職場まで歩く時間が15~30分ある(通勤や駐車場からの距離含む)
- スタンディングデスクを使用する
- 30分~1時間に1回は仕事を中断して、トイレや散歩、ストレッチをする
- イスに座っている間も貧乏ゆすりをしている
- キレイな姿勢を心がけている
- 料理をする
- 料理の後の皿洗いをする
- 早歩きを心がける
- 買い物によく出かける
- 掃除機をかける
- 床をふく
- 洗濯を干したり畳んだりしている
- 子供やペットと遊ぶ
- スマホや活動量計で消費カロリーや歩数をチェックする
毎日でなくても、色々なものを組み合わせて合計30分以上を目指して下さい。
ここまででも十分効果は得られます。
あー、これだけ頑張ってんだからいっぱい食べてもいいよね~
という気持ちが出てくる場合は
- 負荷が高い
- 睡眠が不足している
- ストレスがたまっている
など別の要因も考えられます。
【レベル3:ウォーキング(Ekelund et al , 2019)】
はい、待ってました!
定番のウォーキングですね。
減量以外を考えると
最高最強のバランスがとれた運動です。
まずは、結論から申し上げますと、
ウォーキングを1日30分行えば基本的に運動量は問題ありません。
ウォーキングの時間別メリットとしては
- 10分:メンタルの機能を維持できる
- 20分:早死にしない
- 30分:睡眠の質が改善する
- 40分:脳機能がアップする
- 60分:死亡リスクが下がる
狙いたい内容を目標すればよいですが
まずは10分からでもいいのではないでしょうか。
2日に1回を8週間続けることができれば
習慣化されている可能性が高いので
徐々に時間を増やしていっていいと思います。
【レベル4:HIIPA(Stamatakis et al , 2018)】
レベル2を毎日30分以上行っても問題ないよ
レベル3のウォーキングなんて余裕だぜ
という方はレベル4に進みましょう。
次は、HIIPA(High intensity incidental Physical Activity)とういもので
日常生活を少し高い負荷で行ってみませんか?ということです。
わざわざジムにお金を払っていかなくても、
HIIPAで同じ効果が得られると言われています。
ここでも以下の例をみてみましょう。
- 階段を2段飛ばしで昇ってみる
- 普段は10分かけて行う掃除を5分で行ってみる
- いつもの散歩を倍のスピードで行ってみる
- 職場まであと少しというところで、30秒間ダッシュする
は?これで?ということですが、これで十分です。
ジムでランニングマシンを30分間こぐのと
上記のような運動を1日合計で30分行うのとでは
効果はほとんど一緒です。
とにかくHIIPAを1日合計30分間、2日に1回、8週間継続できたら、次のレベルに進みましょう。
【レベル5:インターバル早歩き(Masuki et al , 2019)】
個人的にはこのインターバル早歩きをオススメしています。
もちろん、40㎝のイスから片脚で立てることが条件となります。
また、身体に痛みを強く感じていたり、
少し動いたりするだけでも息切れする人は、
まずは当院へご相談ください。
レベル2~4を1日30分間確保しつつ
1週間で60分以上を目指して下さい。
最初は週に1~2回を取り入れて下さい。
やり方はシンプルです。
「ゆっくり1分間歩く→素早く1分間歩く」を1セットとして、5セット繰り返します。
元々の信州大学の研究とは異なりますが、
現場の肌感覚ではこのレベルから始める方がいいと思います。
たまに気分を変えて2分にしてみるか!という感じで増やしてみて下さい。
【レベル6:SITプロトコル(Gillen et al , 2016)】
スプリント・インターバル・トレーニングの略称ですが
このレベル6からはトレーニングの要素が強くなってきますので
くれぐれもご注意ください。
こちらもやり方はシンプルです。
- 10~30秒間全力で動く
- 50秒~150秒間休憩する。ただし、完全に止まらずゆっくりとした散歩レベルがおススメです。
- 1.と2.を3回繰り返す
1.の方は何でも構いません。
- 全力疾走
- 階段を昇る
- 自転車こぎ(一般道路でやったら危ないですが…)
など、全力で動かすという点を遵守できればOKです。
とにかく全力なので、10秒~30秒後に人と話せるレベルでは意味がありません。
週に2~3回が推奨されているペースです。
【レベル7:HIIT】
High intensity interval trainingの略称で
日本発の内容なのに海外で注目されちゃって
近年では日本でもより脚光を浴びるようになってきました。
色々なHIITがあって、YouTubeでもたくさん紹介されていますが
その中でもHIIT-WBを紹介いたします。
とにかくきつくて大変ですが
その分当然効果はすさまじいものがございます。
▼HIITの動画がコチラ▼
https://youtu.be/3cIrC8AgifE?si=34au87aRd7nPA2aw
- バーピージャンプ:20秒間全力で行い、10秒休んだら次の種目にうつりましょう。これの腕立てversionは本当に倒れます…。
- マウンテンクライマー:20秒間全力で足を交互に動かしましょう。10秒休んだら次の種目にうつりましょう。
- スクワットスラスト:20秒間全力で行い、10秒休んだら次の種目にうつりましょう。あー、足がちぎれるぅ…。
- ジャンピングジャック:20秒間全力で行い、10秒休んだら次の種目にうつりましょう。まだ、これが一番楽だと思います…。
この①~④をたった2セット
合計4分しかかかりませんので
時短と効果を考えると
世界最高のトレーニングと言えます。
ただし、マジでしんどいです…。
しんどいですが、効果はすごくて、
脂肪燃焼効果や筋持久力、筋力の改善はもちろん
- カロリー消費がすごい(Emberts et al , 2013)
- 食欲を減らしてくれる(Sim et al , 2015)
- 心臓の病気や糖尿病の予防になる(Weston et al , 2014)
- ストレスによる食べ過ぎを防ぐ(Neumeier et al , 2016)
などなどもございます。
【さいごに】
最後までお付き合い下さり、ありがとうございました。
運動習慣がない人は10人に7~8人もいると言われています。
また、運動不足が原因で起きる病気は数兆円の損失とも言われています。
しかし、
- 日常の通勤
- お仕事での移動
- 階段
- 家事
- 育児
- 休日の買い物
意識していないだけで、
意外にこれで十分なのです。
なんで私ばっかりやらなあかんねん、
と怒らずに率先して掃除や家事をすれば、
周りは喜ぶし健康になるしで至れり尽くせりです。
この内容が確保できてもまだ不調が続く場合は
- 睡眠
- ストレス
- 食事
を見直す必要がありますが、
4大項目の“運動”に原因がないと分かったことは
とてもすごいことです。
やり方やどれから始めようか悩まれた方は、
是非当院ご相談下さいねm(_ _)m
皆さんのご多幸をお祈り申し上げます。