平素、大変お世話になっております。
トータルヘルスケアラボSORAの小西でございます。
新年は1/3よりご予約をいただき、1/4-1/11まで中国に伺っておりました。
何ともありがたいお話です。
さて、年末に当院のお客様から貴重なご質問を頂きました。
長生きするために健康に気を遣うのは当然だけど、食事や睡眠、運動に気を遣っていれば長生きできるわけ?
もちろん、
- 食事
- 睡眠
- 運動
- ストレス
この4つが健康の大黒柱であることは間違いありません。
ただ、この4項目のみに気をつけれいればいいのか?
というと意外にそうでもないようです。
今回は人生の目的や満足感と寿命について調べた論文を紹介させて頂きます。
▼参考にした研究論文はこちら▼
Which predicts longevity better: Satisfaction with life or purpose in life?
これはフィンランドにあるアールト大学などの研究です。
まず、結論からお伝えいたします。
「人生の目的」は「人生の満足感」よりも、私たちの寿命に影響を与える
ということのようです。
「人生の目的」は「人生の満足感」より、長寿においては重要であるということですね。
<「人生の目的」と「人生の満足感」はどちらが重要?>
研究の詳細を見てみましょう。
研究チームは約6,000人の中高年を対象に
- 健康状態
- 生活満足度
- 人生の目的意識
- 喫煙
- 飲酒習慣
などの様々な情報を収集し、
生存データを追跡して、
「人生の目的」と「人生の満足感」が
寿命に与える影響を分析したそうです。
まず、ここで「人生の目的」と「人生の満足感」について定義しておきます。
人生の目的:人生全体の方向性や目標を示すもので、個人にとっての生きる意味や価値観に基づいている
例)
- 子どもの成長をサポートする
- 研究や開発を通じて世界に貢献する
- 毎年新しいスキルや趣味を習得する
人生の満足感:現在の生活や状況に対する感情的な評価を指し、どれだけ幸せや充足感を感じているかを示す
例)
- ペットと過ごすリラックスした時間が楽しい
- 現在の家庭環境に満足している
- 適度な運動や食生活で心身が充実している
以上のように、
「人生の目的」が 未来志向で行動や人生の方向性に影響を与えるのに対して、
「人生の満足感」は 現在志向で今の状況に対する評価や感情を表しています。
調査の結果、下記のことが判明しました。
- 「人生の満足感」は、寿命に直接的な影響を与えなかった。
- 「人生の目的」意識が高い人ほど、長寿の傾向があった(人生の目的を持つことは、早期死亡リスクを約25%減少させる)
単に「生活に満足している」だけでは、
長生きできる確率が減るのではないか?
という推測ができるわけです。
幼少期より「何が何でも○○をやりたい!」
というものがあまりないな私にとっては
ちょっと困ったデータです…。
一方で、「人生に目的がある」と感じている人は
その感覚そのものが健康や寿命を守る力を持つようでして
何らかの長期目標がある方には嬉しい研究だと思われます。
<具体的なデータが示す「目的」の力>
今回は非常に重要なお話だと思っておりますので、さらに詳しくみていきます。
研究チームは、「人生の満足感」と「人生の目的」が寿命に及ぼす影響を様々な視点から分析しています。
◍健康状態との関係
- 研究対象者の中には、喫煙や慢性疾患などのリスクを抱える人もいたが、「人生に目的がある」と答えた人たちは、そうでない人たちに比べて長生きする傾向が強かった。
- 「人生の満足感」は健康状態に左右されやすい傾向があった。
- 「人生の目的」は健康状態に左右されずに持ち続けることができる性質があった。
◍年齢や性別による違い
- 「人生の目的」は、どの年代においても寿命に良い影響を与えていた。
- 高齢者ほどその恩恵を受けやすい傾向が見られた。
- 「人生の目的」を持つことが老後の孤独感を軽減し、生活に活力を与える、というメンタルヘルス上の利点が関係している可能性がある。
◍能動的な特性
- 「人生の目的」が「人生の満足感」を上回る理由の一つとして、目的を持つことの「能動性」が挙げられる。
- 「人生の目的」を持つことは、意味のある目標に向かって努力する姿勢を生む。
- 人生の困難に直面した時に、回復力やストレス耐性を高める効果を持つ可能性がある。
以上より、
- 性別
- 教育レベル
- 結婚の有無
などでデータを調整、修正しても
「人生の目的」は寿命の強力な予測因子になるようです。
まとめますと
人生の満足感は心身の健康に依存しているため、寿命には人生の目的の方が大きく影響する
ということになります。
<「人生の目的」を見つけるための具体的な方法>
ということで「人生の目的」は必須の内容となりましたが、
私も含めて「大きな目的なんて急に思いつかない!」という方もいらっしゃるはずです。
ただ、ありがたいことに先行研究などを見ていると、
人生の目的は決して壮大なものである必要はなく、
日々の小さな行為から探していくのが基本のようです。
◍小さな目標から育てていく:目的は日常生活の中で育てることができるケースが多い。
例)
- 毎日10分間ストレッチをする
- 週末に新しいレシピに挑戦する
- 英語学習を夕食後に毎日行う
など、具体的で達成可能な目標が
やがて大きなゴールにつながっていくことがよくあるようです。
◍「他者のために」を考える:「誰かの役に立ちたい!」という気持ちは人間のモチベーションを増幅させる最大の要素である。
例)
- 子供の健康を考えてお菓子を買わないようにする
- 同僚が少しでも気持ちよく働くことができるように掃除をする
- 親が寂しくないように1週間に1回は会いに行く
など、「他者のために」という視点で
日々生活していくと大きな目的が見つかるケースが多いようです。
以上の点に関しては、
私自身も医療介護業界から独立して
開院する際に最も意識した部分でもあります。
私自身が大きなことを成し遂げることは難しいですが、
私を頼って下さる方の健康は可能な限り私で完結させ、そしてずっとそばでサポートし続けたい
以上のような気持ちで独立し、
そしてそれは今も当然変わっていません。
そうは言うものの、
いきなり人生の目的と言われても…
というご意見もごもっともです。
ただ、今は「人生の目的=生きがい」を科学的な手順で見つけていくことができるようにもなっております。
人生の目的で困られた方は、
是非当院の公式LINEにご登録し、お気軽にご相談下さい。
https://lin.ee/i3F8lHP(QRコードが出るので読み取って下さい)
皆さんのご多幸をお祈り申し上げますm(_ _)m